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Author:bana
広島の建築設計事務所に勤務中。
日々の雑感。
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下関に行ってきた。2 川棚温泉交流センター 2010.02.14
目当ては隈研吾建築年設計事務所による川棚温泉交流センター。現地に着いたときにはもう18時前。
川棚の温泉街をゆっくり歩いて回る時間は無かったのが残念ではあったが。開館時間が20時までで良かった。
小さな「山」か「丘」のようなボリューム。
建物の中というより外からずるずるつながってきた道に覆いがかかっているような。
この低い「山」、実物を見ると非常に面白く、かつ納得な量感を持っている。
最初の写真の左に写っている民家を見れば分かるとおりのスケール。
こういう形態で心地よい「低さ」がある建築ははじめて。
そして内装は、
むき出しの骨と皮。構造は三角形を基本としているようだ。設備機器も露出されている。天井をはって隠蔽などされていない。しかしこれが面白い。
何かの体内にいるような気分にもなる。
リジットな、無機的なもの(三角形、設備機器など)に囲まれていながらも、なにか有機的なものを感じさせる建築だった。
有機的な体験を喚起させるのに、無機的なものに抽象化して、再構成している。
そしてこの三角形は展示のアルミ什器にも使用されている。確か昨年の講演会でも登場していたアルミカード。
そして、個人的に面白かったのはトイレのサイン。ここまで三角形とはね。。
雑誌の写真等で見るより非常に良かったです。気合で日帰りで行った甲斐があった。
下関に立ち寄った際には川棚温泉まで足を伸ばしてみてはいかがだろうか。
自然もいっぱいで温泉もあり、名物の瓦そばも美味い。
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下関に行ってきた。 2010.02.14
大・小ホールや図書館、各種のレッスン室やカフェなどが入ってます。
オープン前なので詳しいことは書きませんが様々なところにこだわりのある意匠が施されています。
しかし部屋数が圧倒的に多いので様々な内装が見られる。
内部で印象に残った部分を一つだけ。スタッコを使ったエスカレーター横の壁面。
18,000㎡もあるため、隅々まで見ていると2~3時間かかりました。
普段見られない自動書庫やホールのフライタワーも見られたのでとても勉強になった。
フライタワー最上部のすのこ。この下、当然ですが床がないです。写真では分かりにくいでしょうが、すぐ下が舞台で約20mの高さです。すげー怖いです。高所恐怖癖。高所恐怖症とは違うらしいけど。
絶対落ちない大きさの隙間だと頭では分かっているのだけど絶妙な幅の隙間で足がはまってしまいそうな。。
半年ぐらい前に体育館の現場で屋根トラス組み立て中の足場の上に上った時の恐怖を思い出した。。
キャットウォークの検査とかできんわ。。。。
消防署 2010.01.15
打ち合わせ前に岡山西消防を見学。
郊外型の店舗の隣にぽつんと建っています。
結構な大きさでなかなか立派ですが、消防署と防災センターが入っていて、消防本部は入っていません。
さて、消防署の中をまともに見学するのは子どものとき以来。
消防車って子どものとき結構好きだった記憶があるんですが。男なら分かると思う。働く乗り物=カッコイイという。
いわゆるアニメの勇者シリーズなんてすごいですよね。よく考えたら。
憧れの乗り物がロボットに変形して悪と戦うという構成。子どもが嫌いなわけがない。
実際に見ると今でもカッコイイと思ってしまったり。
どこの消防署行ってもそうですが、消防車はほんとにピカピカに磨かれててきれいなのです。
消防署には仮眠室や食堂があるんですが、この建物の場合、左側の縦ルーバーがそういった生活部分(隊員は24時間勤務)
右側が事務室や会議室といった昼間の執務空間になってます。
この時に案内してくれた副署長がやたら親切で出動準備室やら、仮眠室やら、屋上まで案内してくれました。
やはり実際に見るとテンションが上がって設計へのやる気が沸いてきます。
しかし、昼の休憩時にアポなしで行ってここまで見せてくれるとは。感謝。
その後、某市での打ち合わせでも、そこの消防本部の方々はとても誠実でした。消防署関連の人はいい人ばかりである、という仮説が出来るほどに。
そうでないと市民の安全を守る仕事なんて勤まらないのかもしれないですが。
とにかく、期待にこたえられるようにがんばらなければ。
根津美術館 2009.11.01
表参道駅からFROM1stビルのある通りをまっすぐ行くと見えてきます。
妻面はこんなです。家型の表れない、切妻屋根の重ねあわせ。瓦屋根がのっていますが、重い印象はあまりない。
アプローチ。
ここから、某誌の表紙にも使われている、竹のアプローチが。みゆき通りから90度折れて、空間を転換してます。
実際に生えている竹と、ルーバー状にされた竹に挟まれた細長い空間は場面の転換には効果的かと。
鉄の垂木は薄くてトンガってます。
長いアプローチを通って気分を変えてから、エントランス。(この写真はちょっと引いたところから撮ってます。)
内部は結構すっきりです。竹の練りつけによる天井が印象的です。
スイマセン。ぶれてるのしかなかった。サイン。
ここは中2階的な場所で、天井をかなり間近に見れます。ガラス面から見える景色は、館の雰囲気を
大事にする方は見ないほうがいいと思います。(エントランスのガラス面の部分を見ると分かります)
展示物は仏教彫刻、茶器、青銅器等。中でも青銅器は饕餮(トウテツ)をモチーフとした青銅器が多く展示されていて、一見の価値あり。
この根津美術館には広大な日本庭園があります。庭園側から。
庇周辺。深くてシャープですが、かなりの工夫があるようです。普通の瓦屋根にある棟の上にのっている、あの冠瓦(ちょんまげみたいな、アレ)がないこと。あと、瓦の軒端もすっきりおさめられていている。これらが重くなりがちな瓦屋根の印象を軽くしている。ただ、金属部分に雨だれの跡が出ていて、薄いのはいいんだけど、若干のぺらぺら感が。。
日本庭園の散策も出来ます。このときはまだまだでしたが、もう紅葉はしてるかな?表参道近くにあるとは思えない庭園。お茶会もあるらしい。
また、感心したのが、
車椅子でも庭園が1週出来るようになっていたこと。(わかりにくいけど、赤のライン)
館内にも車椅子が用意されていました。
決して大きな美術館ではないですが、日本庭園含め、総じて良かったと思います。
なにより、屋根の扱い方に関して個人的に参考になった。
ひとつ、心残りなのはカフェに行き損ねたこと。庭園から美術館に戻って来るころにはすっかり忘れているという間抜けさ。
三菱一号館・丸の内パークビル 2009.10.27
復元された三菱一号館の後ろに、
こんな感じで、
一体開発で建てられてます。
三菱一号館はジョサイア・コンドル氏の設計。
赤煉瓦にドーマー屋根。免震構造で設備も最新だそうです。
そして低層棟。
これらの間に中庭。
この中庭がとてもいい雰囲気で、かなりたくさんの人が寛いでいました。
おそらく、パトリック・ブランによるものと思われる、緑の柱。
新旧の建物の隙間を、巧みに公共空間にしている。通りに対しての控えめな構えが逆に
人を誘い込んでいるのか?
時間の都合で一号館の一丁倫敦展が見られなかったのは残念ですが、新旧の建物の関係を考える際に参考になるのでは。まあこのようなケースは非常に稀だとは思う。
あっさり壊されて消えること、
皆に大事にされて残っていくこと、
仕方なく残されること、
惜しまれつつも壊されること。建物の生涯にもいろいろあると思いますが、この三菱一号館は
結果的に建物としての再スタートを切ったわけで。
ある意味非常に幸運であると思う。しかもそれが、ただのノスタルジーや浪漫的な
意味に終始するのではなく、新たな場所として存在できたなら、こんなに幸せなことはないでしょう。
ジョサイア・コンドルを研究した方もそうでない方も是非。
しかし、丸の内周辺のアメニティの整い方はすごい。
新建築のマルノウチ本よろしく、どこまでも入っていけそう。丸の内だからこそなんだろうけども、
こういった公共空間?は体験したことがなかったので、とても興味深い。